昨日行われた、内閣官房主催の納税者番号制度シンポジウムの参加者は、老若男女様々な方が参加してらっしゃいました。
参加者との質疑応答の時間が、時間を30分以上延長して行われました。政府(民主党)としては、税と社会保障の一体改革を給付付き税額控除を導入することによって実現したいと考えているようです。
そのために、すべての国民の所得・納税額・社会保障給付のデータを一元管理する必要があり、そのツールとして納税者番号制度(マイナンバーと言います)の導入を検討しているようです。
どのような制度を設計しても、必ずメリットとデメリットがあると思います。昨日のシンポジウムは、政府側が番号制度導入によるメリットばかりを強調していました。
住民基本台帳があって、国民全員に付番されているにもかかわらず、あえて新しい番号制度を導入することの必要性やデメリットは、軽く流されていました。
参加者から、その点を質問されても軽く流していたような印象です。さらには、最終的な目標である給付付き税額控除制度については、全く何の説明もありません。
この給付付き税額控除という制度は、すでに導入済みの諸外国でも様々な問題が発生している制度です。アメリカでは、給付付き税額控除のための申告書類のうち30%が不正還付申告であるという、アメリカ政府の発表がありました。
また、昨日の内閣官房のコメントでは、日本にこの制度を導入するにあたって、初期投資が6000億円、毎年のランニングコストが500億円かかるそうです。会場からは、番号制度を導入するのではなく、その経費を社会保障に振り替えた方がいいのではないですか?という意見もありました。
今回のシンポジウムは、まだ全国の都市で順次行われます。関心のある方は、誰でも参加できますので、是非参加してみてください。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/symposium/moushikomi.html