経営者の家族に支払う役員報酬 【法人税 節税対策】
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中小企業で経営者の家族に役員報酬を支払うことは
極当たり前に行われています。
ただし、その金額の妥当性となると判断が難しいところです。
今回は、具体的に国税不服審判所での裁決事例を紹介させて
いただきます。この事例は平成20年7月~12月の裁決事例として
21年7月中に、国税不服審判所のHPで公表予定の内容です
http://www.kfs.go.jp/service/JP/index.html
【事例】
会社側の主張:代表取締役の妻は、月に1回か2回しか出社しないが
取引先との接待や会社の経営方針に関する相談など、会社の業績に
大いに貢献している
従って、非常勤ではなく常勤役員として認定されるべきであり
税務署は非常勤役員に対して不相当に高額の役員報酬として
否認した金額については、その全額が認められるべきである。
税務署の主張:代表者の妻は、月に1回か2回しか出社していない。
また組織管理図に名前の記載がなく、職務も定まっていない
ことから経営に深く関与しているとは到底認められない。
従って常勤ではなく非常勤役員と認められる
過去支給された役員報酬の全額を否認するのではなく
この法人と事業内容・事業規模が類似する他の法人6社の
非常勤役員の平均報酬額が適正報酬と考えられる。
今回の事例では、代表者の妻に対して事業内容・事業期の
類似する他の法人6社の非常勤役員の平均報酬額の12倍を
支給していました。
税務署の主張としては、11倍部分を不相当に高額な
役員報酬として否認しました。
国税不服審判所の裁決:税務署側の主張が認められました。
代表者の妻の実態は、そのほとんどが家事に従事していて
経営方針の決定や資金繰り等の重要事項に関与することは
ほとんど従事していない。
この場合、非常勤役員に対する適正な報酬金額の算定方法
としては、税務署の採用した方法を合理的な判断と
認めました。
今回の裁決は、ひとつの事例なのでこの判断が絶対という
訳でありませんが、非常勤役員の役員報酬の金額については
顧問税理士の先生と相談のうえ、慎重に決定することを
お勧めします。
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【編集後記】
平成21年の路線価が公表されました。不動産市場の
冷え込みが反映され、全国の都道府県庁所在地の
最高路線価が全ての都市で横ばいか下落だったようです。
この傾向は、まだ続くと予想されます。
不動産を活用した相続税対策には、適した時期なのかも
しれません。
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