---------------------------------- 2009年6月14日号 ------
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親族間で不動産売買する際の価格【相続税 節税対策】
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今日は、親族間で不動産売買する際の取引価格に関する
東京地方裁判所の裁判事例をご紹介させていただきます。
一般的に親族間で不動産を売買するときの取引価格は
時価で行わなければ、贈与税のリスクがあります。
今回の裁判事例では、A氏が親族から購入した土地について
税務署から、その取引価格が著しく低すぎるという指摘を受け
時価と取引価格との差額に贈与税が課税されたという事例です。
当然、A氏はそれを不服として東京地方裁判所で贈与税の課税取消
を求めて訴えたところA氏の主張が認められました。
この裁判事例でA氏が親族から土地を購入する際の
取引価格として決定したのは、相続税評価額だったそうです。
税務署の主張は、相続税評価額での土地の売買は、一般の取引
時価よりも著しく低い価格での取引であるため、一般的な
取引時価と相続税評価額との差額は、親族間の贈与に該当する
という考えでした。
それに対して、訴えが認められたA氏側の主張は
「著しく低い価格」というのは、その対価に経済的合理性が無いことが
明らかな場合を言うと考えられる。
相続税評価額(路線価)は、地価公示価格の80%程度を目途として
定められていて、80%という割合は、社会通念上、基準となる
数値と比べて一般的には、著しく低い割合とは考えられない。
また実際にA氏が親族と取引した土地の路線価は、時価の概ね
80%程度だったようです。
相続税評価額(路線価)と同程度の価格か、あるいは
それ以上の価格で取引された場合、『著しく低い価格』には
該当しないと考えられる。。。
以上が、訴えが認められたA氏の主張です。
不動産の路線価と実際の取引価格の乖離は、
具体的な土地によって様々です。
この裁判事例がすべての場合に当てはまるとは考えられません。
実際に、親族間で不動産の売買を行う場合の取引価格の決定に
当たっては、専門家とご相談のうえ決定してください。
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【編集後記】
今年の2月に『産業活力再生特別措置法』の改正が
報じられ、実際に施行されているようですが
やはり実際には、適用できる場面(法人)はかなり
限定的になっているようです。
景気回復が待ち遠しいです。
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