<事例>
X氏は、婚姻歴もなく養子縁組もしなかったため相続人がいません。
X氏の所有する財産のほぼすべては、X氏単独の名義です。
しかし、土地Aについては甲さんとの共有名義となっています。
甲さんとは、血縁関係はありません。土地AをX氏が取得した経緯は
Xの父親が甲さんと共有名義で所有していた土地Aを、父親の死亡により
相続により取得したものです。
さて、X氏がこの度死亡しました。遺言書はありません。
甲さんと共有名義の土地Aについて、なんらかの税金は発生しますか?
<解説>
相続人の存在しない、相続財産は最終的には国庫に帰属することになります。
今回の事例の場合、土地Aの共有者であるX氏と甲さんとは血縁関係になく
遺言書もないことから、土地AのX氏持分については相続人が存在しない
状態であると考えられます。
この場合、土地Aについては共有者である甲さんという存在がありながら
X氏持分だけが、国庫に帰属することになるのでしょうか?
結論は、X氏の持分は共有者である甲さんの持分となるということです
根拠条文は、民法255条と相続税法基本通達9-12です
民法255条では
『共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、
その持分は、他の共有者に帰属する。』と定めています
また、相続税法基本通達9-12では
『共有に属する財産の共有者の1人が、その持分を放棄(相続の放棄を除く。)
したとき、又は死亡した場合においてその者の相続人がないときは、
その者に係る持分は、他の共有者がその持分に応じ贈与又は遺贈により取得
したものとして取り扱うものとする。』
つまり、土地Aの共有者である甲さんは、X氏が死亡したことにより
土地Aに関するX氏の共有持分を、相続により取得することになります。
その結果、土地Aの評価額次第では相続税が発生することになります。
今回の事例の場合、X氏の土地A以外の相続財産は、すべて国庫に帰属
することになりますので、甲さんは相続税の納税資金を自己の財産から
調達する必要があります。
上記のように共有持分のある不動産の場合、本来であれば
法定相続人でない方でも、相続税が課税されるリスクがあります。
共有名義の不動産には要注意です。
この記事以外にも、下記URLのマイベストプロ神戸に私のコラムの
書込みをしていますのでご覧ください
http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
近江清秀公認会計士税理士事務所のURL
http://www.marlconsulting2.com/
近江清秀公認会計士税理士事務所(相続税専門HP)
http://www.kobesouzoku.com/
ALLABOUT PROFILEのURL
http://profile.allabout.co.jp/pf/oumi
近江清秀公認会計士税理士事務所(相続税部門FBP)
http://www.facebook.com/kobesouzoku/
マイベストプロ神戸のページ
http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/
DREAM GATE アドバイザーのページ
http://profile.dreamgate.gr.jp/consul/pro/oumi
神戸の税理士 近江清秀のBLOG
http://marlconsulting.typepad.jp/
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□