すねをかじっている息子の自宅土地の評価も引き下げられる?!
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今回は、特定居住用の小規模宅地の特例についてレアケースではありますが
相続税の節税対策に役立ちますので、ご紹介いたします
(事例-3)「居住の用に供されていた宅地等が2以上ある場合」
被相続人Aは、Aの居住の用に供する宅地(X土地)と、
生計を一にする被相続人の長男甲の居住の用に供する宅地(Y土地)を所有していた。
遺産分割協議により、X土地及びY土地を甲が相続することになった。
この場合、X土地及びY土地に特定居住用の小規模宅地の特例を適用できるか。
(論点の整理と解説)
平成22年度改正以前は、被相続人等の居住の用に供される宅地等が2以上存在する場合に、
特定居住用の小規模宅地の特例を適用するに当たって実務上は注意を要する場面があった。
そもそも特定居住用宅地等の小規模宅地の特例は、被相続人等の居住の用に供される宅地等が、
被相続人の居住の用に供されていた宅地等である場合又は、
被相続人と生計を一にする親族の居住の用に供されていた宅地等である場合には、
相続人等の生活の基盤の維持のために不可欠であることから
通常の評価額の20%の評価額によって評価するという趣旨である。
その特例の趣旨から考えると、
適用対象となる宅地等は主として居住の用に供されていた宅地等に限るものと考えられる。
しかし、実際には裁判 が提訴されることもあり、
特例の適用対象が主として居住の用に供していた一の宅地等に限定されるかどうかが明確ではなかった。
平成22年度改正において、特例の適用対象となる宅地は以下のように明確に定められた。
(措令40条の2第6項)
法第69条の4第3項第2号に規定する政令で定める宅地等は、
次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める宅地等とする。
1.被相続人の居住の用に供されていた宅地等が2以上ある場合(第3号に掲げる場合を除く。)
当該被相続人が主としてその居住の用に供していた一の宅地等
2.被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等が二以上ある場合
(次号に掲げる場合を除く。)当該親族が主としてその居住の用に供していた一の宅地等
(当該親族が2人以上ある場合には、当該親族ごとにそれぞれ主として
その居住の用に供していた一の宅地等。同号において同じ。)
3.被相続人及び当該被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の
親族の居住の用に供されていた宅地等が二以上ある場合
次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める宅地等
イ 当該被相続人が主としてその居住の用に供していた一の宅地等と当該親族が主として
その居住の用に供していた一の宅地等とが同一である場合 当該一の宅地等
ロ イに掲げる場合以外の場合 当該被相続人が主としてその居住の用に供していた
一の宅地等及び当該親族が主としてその居住の用に供していた一の宅地等
今回の事例を措令40条の2第6項に当てはめて検討すると、
3ロに該当すると考えられる。したがって、Aの居住の用に供する宅地(X)と、
生計を一にする被相続人の長男甲の居住の用に供する宅地(Y)は、
限度面積要件の範囲内で特定居住用宅地等に該当すると考えられる。
上記、設例のポイントは被相続人と生計を一にする親族
(わかりやすく申し上げると、いつまでも親のすねをかじっている
子供たちです)の生活基盤となっている自宅の土地も
評価を引下げることができる可能性があるということです。
ただし、実務ではほとんどありえないと思います。
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【編集後記】
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