武富士経営者一族の贈与税に関する判決の簡単な解説
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先月最高裁で武富士経営者一族の贈与税課税について、最高裁の
判断が下されました。
結論は、明らかに租税回避目的ではあるが武富士経営者一族の主張を
支持し課税当局の主張を退けた。利子相当額も含めると国が武富士経営者
一族に支払う還付金は2000億円。
詳細は以下のとおりです。
長男(元専務)は、両親(元会長夫妻)から平成11年にオランダにあった
法人の出資割合の90%の贈与を受けた。
このオランダの法人は、元会長が代表取締役を務める日本国内の
会社株式の80%以上が保有していた。
この時点で、長男は日本にある武富士の株式の80%以上を間接的に
贈与により所有したことになりましたが、この贈与に関する
贈与税が今回の争点になりました。
この当時、税法では日本国内に住所が無い納税者は、日本国内にある
財産にだけ贈与税が課税されることになっていました。
そのため武富士経営者一族は、この贈与の時点で香港に住んでいた長男は
オランダにある法人の出資について贈与を受けても、
贈与税の課税対象外であるという主張をしていました。
一方で、課税当局は父親が財産を海外に移転し、長男が住所を国外に
移転してからの多額の贈与は、明らかに贈与税を回避するためで
あると考えました。
そのため裁判でのポイントは、長男が財産の贈与を受けた時点での
住所がどこであったのか?という点でした。
今回の最高裁判決は、
オランダの法人を贈与税を回避するためのツールとして利用したことは
事実関係から明らかであり、また贈与税を回避するために長男が香港に居宅を移し
実際に生活もしていたことも明らかである。
しかし、
憲法30条で、国民は法律の定めるところによってのみ納税の義務を負うと規定し
憲法84条で、課税の要件は法律によって定められなければならないと規定している
という点を考慮し、今回の一連のスキームが贈与税を回避するために仕組まれた
ことは客観的事実から明白であるとしながらも、課税庁の主張を取下げ
納税者(武富士経営者一族)の主張を支持しました。
なんだか、複雑な気持ちになる判決です。
2000億円と言えば、1年間の日本中の相続税・贈与税の1割以上の金額です。
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