公益法人への財産の寄付で注目判決があります【相続税 節税対策】
【法人と個人の税金対策に役立つ神戸の税理士のメルマガ】
今年の8月25日に東京高等裁判所で、公益法人への寄付金で注目すべき
判決が下されましたので、ご案内します。
公益法人に財産を寄付すると、所得税が非課税となることは
ご存知の方も多いと思います。
今回の案件は、以下の通りです
甲さんは、財団法人に会社株式を贈与しました。この年の確定申告で
甲さんは、株式の譲渡所得について非課税特例を適用しました。
その後、甲さんは亡くなり、財団法人は直ちにその株式を売却しました
これによって、甲さんの亡くなった年の最後の所得税の確定申告で
株式の譲渡所得の非課税特例が適用できないという判断が下されたために
株式の譲渡所得に対して、所得税が課税されてしまったという案件です。
甲さんの相続人は、これに対して不服として訴訟を提起していましたが
東京地裁も、東京高等裁判所も相続人敗訴の判決です。
裁判所の判断理由は以下の通りです。
そもそも公益法人への寄付に対して所得税が非課税となるのは
教育・科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献などに寄与することから
認められるものです。
そのためのには、財産を譲り受けた公益法人は、譲り受けた日から
2年を経過するまでの期間内に、譲り受けた財産を公益法人の事業に
供する必要があります。
例えば株式の場合、その公益法人の事業に供されているかどうかが
直接判断できないために、その株式から得る配当金が、毎年その
公益法人の事業に供されているかどうかで判定されます。
東京高等裁判所は、以上の判定要件から判断すると、公益法人が
譲受けた株式を売却して、その結果得た資金を事業に供することは
「譲り受けた財産を事業に供している」という要件を充たさないと
判断しました。
つまり、簡単に申し上げますと株式から得られる配当金を事業に
供する場合は、本来の寄付の趣旨にあっているが、株式を売却した
時点で、寄付の趣旨に反するので、みなし譲渡所得の非課税特例は
適用できないということです。
今後の動向が気になる判決です。
相続税対策で公益法人への寄付金を検討中の方は、特に注意
してください
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
【神戸の税理士が毎週配信している法人税・所得税・
相続税に関する、最新情報と節税に役立つメルマガ】
近江清秀公認会計士税理士事務所のURL
http://www.marlconsulting.com/
ALLABOUT PROFILEのURL
http://profile.allabout.co.jp/pf/oumi
神戸の税理士 近江清秀のBLOG
http://marlconsulting.typepad.jp/
M&Aのご相談は、信頼と実績の桜橋監査法人
http://www.sakurabashi-grp.com/
中央三井信託銀行のリバースモーゲージのHP
http://www.chuomitsui.co.jp/person/p_03/p_03_re.html
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
【編集後記】
日本の中小企業が中国(ベトナム)に進出する際の
中国(ベトナム)国内での会計・税務・法務の支援サービス
を今年の9月から始める予定です。現在準備中です。
詳細が決定しましたらご案内させて頂きます
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
中央三井信託銀行のリバースモーゲージのHP
http://www.chuomitsui.co.jp/person/p_03/p_03_re.html
STUDIO TOKYO.COMのHP
http://studio-tokyo.com/