納税者番号制度が2014年度に 【所得税】
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先日の日本経済新聞の一面に『政府税制調査会が給付付税額控除の
導入を前提として、納税者番号制度を2014年1月からの運用開始を
目指す考え方を打ち出した』と報道されていました。
『給付付税額控除???』『納税者番号制度???』
いずれも耳慣れない言葉だと思いますがこれらについては
既に、過去のメルマガ(10月10日)に解説させて頂いています
ので、下記URLでご覧ください。
http://profile.allabout.co.jp/pf/oumi/column/detail/60638
この『給付付税額控除』という制度は既に導入されている
国も多くあります。それぞれの国の事情に応じて様々な制度を
整備した上で導入しているようですが、それでも多くの問題を
抱えているようです。
例えば、アメリカは全国民が所得税の確定申告をしなければ
なりません。その申告結果に基いて給付付税額控除を実施していますが
、そもそも国民一人当たりの確定申告の所要時間が20時間以上という
複雑な書類を記入しなければならないので、不正還付が20%~30%
というお粗末な状態だそうです。
日本で給付付税額控除を導入するに当たっても
1.生活保護等、既存の制度との整合性の問題
⇒生活困窮者の現状を国税庁がどれだけ正確に把握できるのか?
2.所得の把握を個人別に行うのか、夫婦合算で行うのかという問題
⇒個人別では所得が低くても夫婦合算では、安定して生活できる
家庭にまで、給付することの可否。 現在の日本の所得税は
個人別課税なので、夫婦合算の所得を国税庁が把握することは
不可能です。
3.既に制度として破綻しかけている年金問題と給付付税額控除を
一体で制度設計を行うのかどうかという問題
⇒給付付税額控除のアメリカでの不正受給率(20%~30%)以上に
わが国の国民年年金の未納付率は高いです。既に破綻している
年金制度の根本的な改革は、給付付税額控除を関連付けると
有効になしうると考えられていますが。。。
4.その場合、国税庁と社会保険庁の一体化まで実現可能かどうか
という問題
⇒年金等社会保障給付と、給付付税額控除を一体化する以上
関連する行政機関を一体化する必要がありますが、国税庁と
社会保険庁を一体化することが、はたして可能なのか?
ニュージーランドでは、一体化することに成功したそうですが
全国民が4000万人の国とその3倍の国民の国を同じ尺度で
考えることが出来るでしょうか。
5.すべての国民の所得を正確に把握することができるのか?
と、いう問題。
⇒現状では、年末調整も確定申告もしていない方々は数多くいます。
それらの方々の所得(?)も正確に把握しなければ、この制度は
本来の趣旨を達成することができませんが、現状の制度のままでは
不可能です
6.所得は少ないが、親からの遺産で生活できるような方々にまで
給付してしまうという問題
⇒現状の制度では、個人別資産保有状況は本人にしか把握できません。
家族ですら把握できない個人資産を、政府が一元管理して把握する
ことが日本でできるでしょか。 諸外国では、すべての情報を
一元管理している国もあるようです。しかし、前提となる制度が
あまりにも違います。人口・徴兵制等々。
7.一生懸命働かなくても、国からの給付をあてにしてしまうという
問題。
⇒これが、一番分かりやすい問題点です。
一般的に上記のような問題点が過去から議論されています。
もちろん、自民党政権のころから給付付税額控除は慎重に議論し
検討されてきたようですが、上記の問題点を現状のわが国でどのように
解決するか。。。というところで、議論は止まっていたようです。
民主党政権になって、一気に話は具体化しているようです。
今後の税制改正はどうなるんでしょうか?
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【編集後記】
中小企業金融円滑化法(いわゆる返済猶予法)が成立し
金融庁が案内のリーフレットを作成しました。
興味のある方は、下記URLからDLしてご覧ください
http://www.fsa.go.jp/policy/chusho/enkatu/02.pdf
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東京マラソンHP
http://www.tokyo42195.org/
アースマラソンHP
http://www.earth-marathon.com/
民主党マニフェストのHP
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/index.html
中央三井信託銀行のリバースモーゲージのHP
http://www.chuomitsui.co.jp/person/p_03/p_03_re.html